手術について
最適な治療方法を一緒に決めていく
人間と同じようにペットも、病気の状態によりお薬だけでの治療が難しく、手術が必要となる場合があります。飼い主さんにとって大切な家族の健康を思う気持ちは誰よりも大きいからこそ、私たちは大切な家族の命を預かる身として、飼い主さんと話し合う時間を大切にし、その子にとって最適な治療を選択します。
当院では、去勢・避妊手術から難症例まで、症状に合わせた様々な手術に対応し、その中でも外科や循環器や皮膚病には力を入れており、弥富以外の幅広い地域からご来院いただくこともあります。難症例に関しては、その子にとっての最適な方法を選択し、ご家族と話し合いのもと専門医のご紹介を行い、どのような方法がベストか常に考え決定していきます。
事前の説明
手術をする上でご家族が不安に感じられる麻酔や手術のリスク、検査や手術内容、術後の経過、手術に関係する費用、入院期間等、わかりやすくご理解いただけるように努めています。わからないことや不安なことがあればお聞き下さい。
避妊・去勢手術
避妊・去勢手術の大きな目的は、性ホルモンに関する病気の予防や無駄吠えや攻撃などの行動を抑え人間と一緒にストレスのない生活を送るためでもあり、もうひとつ大切なことは、望まれない不幸な動物を増やさないためです。
最適な時期やご料金、術後のケア等飼い主さんとお話し合いの上で行います。
避妊・去勢手術についてのQ&A
野良猫の避妊・去勢はおこなっていますか?
野良猫の手術もおこなっておりますが、手術のめやすや流れ、料金等は飼い主がいる子と同様です。事前に術前検査や手術の予約が必要です。
なぜ当院は犬の避妊は1回目の発情が過ぎてから手術をするのですか?
発情が起こる前は体や内臓、生殖器の発達が未熟なためです。
手術前になぜ食事を与えてはいけないのですか?
全身麻酔をかけると、全身の力が抜け意識がなくなり、胃や腸など内臓にも麻酔がかかります。さらには嚥下機能も低下します。麻酔をかける前とかけた後は吐き気を催すことがあり、この時に胃の中に食べ物が残っていると、麻酔の前後や手術に吐き気を催しても、うまく吐き出させずに吐物が器官に入ったり、誤嚥性肺炎を起こすことがあるためです。
前日はいつまで食事を与えても良いですか?
厳密に言うと手術までに食事は8時間以上・水は4時間以上の絶食と絶水が理想です。
絶食を忘れないために、前日の夜ご飯は遅くても夜の12時までには残っていても片付けてしまいましょう。
お水は当日の朝まで与えていただいても大丈夫ですが、大量に与えないようにしてください。
どうしても絶食が難しい場合は、胃や腸に負担が少なく、消化のしやすい流動食を処方します。
傷口の大きさはどれくらいですか?痛みはどれくらいですか?
個体差があるのですが、避妊手術はお臍の下から3〜5センチ、去勢手術は陰嚢を2〜3センチ切開します。
傷口が縫合糸と反応して腫れる場合があります。
術後すぐは痛みで大人しくなったり、排便しなくなる子がいますが、1日も経てば普段通りに元気に過ごす子が多いです。
抜糸はいつできますか?
個体差があるのですが、10日〜14日後に抜糸をします。手術後3日〜4日後に一度傷口の様子を診せてください。
エリザベスカラーはつけなければいけませんか?
傷口を保護するために必ず着用してください。口や鼻先が出ず舐めることができないようにしましょう。
プラスチックのカラーが苦手な子は柔らかいクッション製のカラーや傷口を保護する専用のお洋服(エリザベスウエアやキズぐちエプロン)もあります。カップ麺などの手作りカラーは誤って食べたり、壊したりして傷口を舐めてしまう可能性があるのでやめましょう。
傷口が汚れたらどうすれば良いですか?
水で浸したコットンやタオルで優しく拭くなどして、ゴシゴシ擦らないようにしましょう。抜糸が終わるまでシャンプーができないので手術前にシャンプーをしておくと良いかもしれません。
術後の過ごし方はどうしたらよいですか、散歩は行っても良いですか?
いつも通りの過ごし方で大丈夫ですが、手術後すぐの激しい運動や、泥んこになって傷口が汚れるくらい遊ぶのは控えましょう。体調を崩しやすいので元気食欲の変化には気をつけてあげてください。
退院後、食事はいつも通り与えて良いですか?
去勢手術は日帰りのため、麻酔をかけてから時間が経っていないので帰宅後の食事は控えてください。
翌日から様子を見ながら与えてもらい、食欲があればいつもの量を与えてください。
また、避妊・去勢手術後は今まで生殖に使われていたエネルギーが減るため、今まで通りの食事や量を与えていると太りやすくなります。避妊・去勢後用のカロリーに配慮した食事がありますので退院時にご説明します。