避妊手術(犬・猫)

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犬猫の避妊手術を考えているけど、避妊手術をいつ受けたらいいのかわからない、メリット・デメリットが知りたいなど、可愛いペットにとって初めての手術、不安になりますよね?そこで、当院の避妊手術に関して、お答えしていきます。

避妊手術のメリット・デメリット

避妊手術のメリット

①性ホルモンに関連する病気を予防できる
雌の場合、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの病気の予防ができます。特に乳腺腫瘍に関しては、犬は初めての発情の前に手術をすれば99.5%・猫は6か月齢までに手術をすれば91%の予防効果が期待できるといわれています。

②発情期によるストレスの軽減や性ホルモンに関連する問題行動を抑えることができる
雌の場合発情期が近づくと気分が不安定になったり、怒りっぽく咬みやすくなったりすることがあります。また他には、雌の発情出血をふせぐことができます。

③望まれない妊娠を防ぐ

避妊手術のデメリット

①麻酔のリスク
早期の若齢期による全身麻酔は、肝臓の代謝能力や腎臓の排泄機能が未熟です。
また、短頭種の麻酔後の気道閉塞、麻酔に対してアレルギーを持っている場合があります。
②不完全な結紮による出血や術創が治りにくい(自己損傷)
③縫合糸の感染およびアレルギー反応
④肥満や尿路結石になりやすい
避妊後は必要とするエネルギーが減る一方、性的ストレスがなくなり消費カロリーが減るため、太りやすくなります。また、肥満によって尿路結石になるリスクが高まります。
⑥子供ができなくなる

避妊手術の時期

犬 生後7~8か月以上

当院では発情が1回済んでからをお勧めしています。
発情中や発情後すぐの手術は子宮や卵巣、血管が発達しており、出血のリスクが高まるため、基本手術はおこないません。発情後は、2か月間はあけていただくことをお勧めしています。
※生後7か月頃に乳歯から永久歯に生え変わるため、乳歯遺残がある場合は一緒に乳歯抜歯もおこないます。

猫 生後8か月以上、体重が3㎏以上

体格が小さい子は3㎏未満で手術することもあります。
(猫は発情中でも手術できます。)

避妊手術の前に

①手術の前に予防を!!
基本的にお預かりする前には、お預かりした動物を守るために予防(ワクチン接種・外部寄生虫)をおこなっていただいております。またワクチン接種後は、1週間以上あけてからの手術をお願いします。
手術前に予防薬の投与(特に外部寄生虫のノミダニ)をお願いいたします。
②手術についての説明、日程を決めます。
③手術の前、2週間以内に術前検査をおこなう
血液検査・心電図・(必要があれば凝固系などの詳しい血液検査)をおこないます。
猫の場合は、術前検査時に猫エイズ・白血病のウイルス検査も行います。

*ノラ猫など、連れてくるのが困難な場合は当日検査も可能ですが、結果によっては手術がおこえないこともあります。

避妊手術当日

①手術の当日は午前中預かり(11時までに)
絶食!ごはん・お水は与えずに連れてきてください。
絶食が難しい場合は流動食を処方します。
*前日預かりの場合は、預かりのストレスなどで食べなくなる場合があるので、事前にごはん・お水は与えてから連れてきていただいております。
②同意書の記入、緊急連絡先の確認、お迎え時間の確認
③お昼に手術をして、避妊の場合は一泊入院
④退院後、3~5日間は抗生物質と消炎鎮痛剤の投薬を
エリザベスカラーなどは抜糸が済むまで外さないでください。
⑤傷のチェック
手術後3~7日後に傷口のチェックの診察に来てください。
⑥抜糸
個体差がありますが、通常10日~14日で抜糸をおこないます。
※ノラ猫などに対して、抜糸が必要ない「皮内縫合」もあります。(別途追加料金)

避妊手術の疑問

○なぜ当院は犬の避妊は1回目の発情が過ぎてから手術をするの?
→発情が起こる前は体や内臓、生殖器の機能が未熟なためです。

○手術前になぜ、食事を与えてはいけないの?
→全身麻酔をかけると、意識はもちろんのこと、全身の力も抜け、胃や腸にも麻酔がかかります。麻酔をかける前、かけた後は吐き気をもよおすことあり、さらに麻酔の前後は嚥下機能が低下しています。
このときに胃の中に食べ物が残っていると、麻酔の前後や手術中に吐き気をもよおしたとしても、うまく吐き出せずに吐物が気管に入り、誤嚥性肺炎をおこすことがあります。

○前日はいつまで食事を与えていいの?
→厳密にいうと手術までに、ご飯8時間以上・水4時間以上は控えましょう。
前日の夜ご飯が終わったら、前日の夜12時ごろまでにはフードや水は片づけましょう。
※朝早い時間に水を与えてしまった・ご飯を少量与えてしまった場合でも、吐き気止めの注射を打ち、手術を行う場合も可能です。間違えて食事を与えてしまった場合には、病院に電話をください。

○傷口はどれくらいの大きさ?痛くない?
→手術後すぐは痛がっておとなしくなる子もいますが、普段通り元気に過ごす子が多いです。
また、痛みにより力むことができず、排便しない子もいますが、通常痛みの取れる2~3日で改善します。
手術後、縫合糸との反応により、傷口が腫れることがあります。

○傷口はどうするの?
→傷口はなめたり、掻いたりしないようエリザベスカラー(ヒポカラー)や腹帯を装着して、傷口を保護しましょう。

○傷口が汚れたら?
→傷口が汚れたら、シャンプーはせずに水で洗い流すor水で浸したコットンで拭いてください。
体全体のシャンプーも抜糸が済むまで控えましょう。

○過ごし方は?お散歩は行ってもいい?
→基本的にはいつも通りの過ごし方で大丈夫ですが、手術後すぐの激しい運動や草むらに入ったり、泥んこになって傷口が汚れるくらい遊ぶのは控えましょう。
元気や食欲の変化には、気を付けてあげてください。

○退院後、食事はいつも通りに与えていいの?
→去勢手術の場合は日帰りのため、麻酔をかけてから時間がたっていないので、帰宅後の食事は与えないでください。
翌日から様子を見ながら与えてもらい、食べるのであれば一日量与えてあげていただいて大丈夫です。

避妊後の食事管理

食欲を出すホルモンが増え、食欲を抑えるホルモンが減る!!ため、今まで通りの食事では太りやすくなります。
今まで、生殖に使われていたエネルギーを使わなくなるため、1日に必要なエネルギー量が15~30%減るとされています。しかし、犬は避妊・去勢手術後の1か月間で、平均約20%食事量が増え、避妊・去勢手術によって肥満のリスクは2倍になるといるのです。
そのため、術後は食事量を約30%減らさないと体重維持ができません。

今までと同じ食事を与えるのであれば、1日に与える量を2~3割減らす必要があります。
また、猫では肥満によって尿路結石のリスクも高まります。
これらのリスクは食事によってケアすることができるので、手術後は避妊・去勢後用のフードをたべましょう。お気軽にスタッフにお尋ねください。

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