去勢手術(犬・猫)

castrate one's pet

犬猫の去勢手術を考えているけど、去勢手術をいつ受けたらいいのかわからない、メリット・デメリットが知りたいなど、可愛いペットにとって初めての手術、不安になりますよね?そこで当院の去勢手術について、お伝えしていきます。

去勢手術のメリット・デメリット

去勢手術のメリット

①性ホルモンに関連する病気の予防
雄の場合、精巣腫瘍や前立腺肥大などの病気の予防ができます。

②発情期によるストレスの軽減や性ホルモンに関連する問題行動を抑える
雄の場合、雌を求めて徘徊したり、攻撃性が増します。結果お外に出たがったり、出た場合には怪我をすることもあります。

③望まれない妊娠を防ぐ

去勢手術のデメリット

①麻酔のリスク
早期の若齢期による全身麻酔は、肝臓の代謝能力や腎臓の排泄機能が未熟です。
短頭種では、麻酔後の気道閉塞などもリスクとして挙げられます。
また、麻酔に対してアレルギーを持っている場合もあります。
②不完全な結紮による出血、術創が治りにくい(自己損傷)
③縫合糸の感染およびアレルギー反応
④肥満や尿路結石になりやすい
去勢後は必要とするエネルギーが減る一方、性的ストレスがなくなり消費カロリーが減るため、太りやすくなります。また、肥満によって尿路結石や尿路閉塞のリスクが高まります。
⑥子供ができなくなる

去勢手術の時期

犬 生後7~8か月以上

※生後7か月頃に乳歯から永久歯に生え変わるため、乳歯遺残がある場合は一緒に乳歯抜歯もおこないます。

猫 生後8か月以上、体重が3㎏以上

体格が小さい子は3㎏未満で手術することもあります。
(猫は発情中でも手術できます。)

去勢手術の前に

①手術の前に予防を!!
基本的にお預かりする前には、お預かりした動物を守るために予防(ワクチン接種・外部寄生虫)をおこなっていただいております。またワクチン接種後は、1週間以上あけてからの手術をお願いします。
②手術についての説明、日程を決めます。
③手術の前、2週間以内に術前検査をおこなう
血液検査・心電図・(必要があれば凝固系などの詳しい血液検査)をおこないます。
猫の場合は、術前検査時に猫エイズ・白血病のウイルス検査も行います。
手術前に予防薬の投与(特に外部寄生虫のノミダニ)をお願いいたします。

*ノラ猫など、連れてくるのが困難な場合は当日検査も可能ですが、結果によっては手術が行えないこともあります。

去勢手術当日

①手術の当日は午前中預かり(11時までに)
絶食!ごはん・お水は与えずに連れてきてください。
絶食が難しい場合は流動食を処方します。
*前日預かりの場合は、預かりのストレスなどで食べなくなる場合があるので、事前にごはん・お水は与えてから連れてきていただいております。
②同意書の記入、緊急連絡先の確認、お迎え時間の確認
③お昼に手術をして、去勢は日帰り入院(午後の診察時間の遅めの時間にお迎え)
④退院後、3~5日間は抗生物質と消炎鎮痛剤の投薬を
⑤傷のチェック
手術後3~7日後に傷口のチェックの診察に来てください。
⑥抜糸
猫の去勢は糸を使わないので抜糸の必要はありません
個体差がありますが、通常10日~14日で抜糸をおこないます。
※ノラ猫などに対して、抜糸が必要ない「皮内縫合」もあります。(別途追加料金)

去勢手術の疑問

○なぜ当院は犬の去勢は1回目の発情が過ぎてから手術をするの?
→発情が起こる前は体や内臓、生殖器の機能が未熟なためです。

○手術前になぜ、食事を与えてはいけないの?
→全身麻酔をかけると、意識はもちろんのこと、全身の力も抜け、胃や腸にも麻酔がかかります。麻酔をかける前、かけた後は吐き気をもよおすことあり、さらに麻酔の前後は嚥下機能が低下しています。
このときに胃の中に食べ物が残っていると、麻酔の前後や手術中に吐き気をもよおしたとしても、うまく吐き出せずに吐物が気管に入り、誤嚥性肺炎をおこすことがあります。

○前日はいつまで食事を与えていいの?
→厳密にいうと手術までに、ご飯8時間以上・水4時間以上は控えましょう。
前日の夜ご飯が終わったら、前日の夜12時ごろまでにはフードや水は片づけましょう。
※朝早い時間に水を与えてしまった・ご飯を少量与えてしまった場合でも、吐き気止めの注射を打ち、手術を行う場合も可能です。間違えて食事を与えてしまった場合には、病院に電話をください。

○傷口はどれくらいの大きさ?痛くない?
→手術後すぐは痛がっておとなしくなる子もいますが、普段通り元気に過ごす子が多いです。
また、痛みにより力むことができず、排便しない子もいますが、通常痛みの取れる2~3日で改善します。
手術後、縫合糸との反応により、傷口が腫れることがあります。

○傷口はどうするの?
→傷口はなめたり、掻いたりしないようエリザベスカラー(ヒポカラー)や腹帯を装着して、傷口を保護しましょう。

○傷口が汚れたら?
→傷口が汚れたら、シャンプーはせずに水で洗い流すor水で浸したコットンで拭いてください。
体全体のシャンプーも抜糸が済むまで控えましょう。

○過ごし方は?お散歩は行ってもいい?
→基本的にはいつも通りの過ごし方で大丈夫ですが、手術後すぐの激しい運動や草むらに入ったり、泥んこになって傷口が汚れるくらい遊ぶのは控えましょう。
元気や食欲の変化には、気を付けてあげてください。

○退院後、食事はいつも通りに与えていいの?
→去勢手術の場合は日帰りのため、麻酔をかけてから時間がたっていないので、帰宅後の食事は与えないでください。
翌日から様子を見ながら与えてもらい、食べるのであれば一日量与えてあげていただいて大丈夫です。

去勢後の食事管理

食欲を出すホルモンが増え、食欲を抑えるホルモンが減るため、今まで通りでは太りやすくなります。
今まで、生殖に使われていたエネルギーを使わなくなるため、1日に必要なエネルギー量が15~30%減るとされています。しかし、犬は避妊・去勢手術後の1か月間で、平均約20%食事量が増え、避妊・去勢手術によって肥満のリスクは2倍になるといるのです。
そのため、術後は食事量を約30%減らさないと体重維持ができません。
今までと同じ食事を与えるのであれば、1日に与える量を2~3割減らす必要があります。
また、猫では肥満によって尿路結石のリスクも高まります。
これらのリスクは食事によってケアすることができるので、手術後は避妊・去勢後用のフードをたべましょう。お気軽にスタッフにお尋ねください。

さくら動物病院での診療受付方法

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